エヴァ・キャシディのImagine(ジョン・レノン&プラスティックオノバンド)|友情歌 結城永人 - 2020年1月27日 (月) 2002年に発表されたエヴァ・キャシディのカヴァーで聴いたImagine(ジョン・レノン&プラスティックオノバンド)が友情歌として胸に響いた。 ジョン・レノン&プラスティックオノバンドのImagine Yoko Ono and John Lennon at John Sinclair Freedom Rally at Crisler Arena in Ann Arbor, Michigan from Michiganensian / Public domain 作詞作曲はジョン・レノンとヨーコ・オノで、オリジナルの歌手は二人が所属するジョン・レノン&プラスティックオノバンドになる。 Imagine(1971/オリジナル) ジョン・レノンが詩人で妻のヨーコ・オノの詩集のグレープフルーツ(1964)に霊感を受けて作成した。取り分けTUNAFISH SANDWICH PIECE(ツナサンド)に影響を受けたようだ。冒頭の「Imagine」(想像せよ)の言葉が共通してもいる。 空に千の太陽を同時に想像せよ。 一時間に輝かせよ。 そうして、空に徐々に溶かさせよ。 ツナサンドを作って食べよ。 原文 Imagine one thousand suns in the sky at the same time. Let them shine for one hour. Then, let them gradually melt into the sky. Make one tunafish sandwich and eat. ヨーコ・オノのツナサンド(訳出) ジョン・レノンはImagineで人々に平和を訴えたけれどもヨーコ・オノの詩から得たものが大きくてグレープフルーツのTUNAFISH SANDWICH PIECEからすると「ツナサンドを作って食べよ」(Make one tunafish sandwich and eat)という日常生活の感覚と密着した状態こそ重要と捉えているのは明らかだ。翻って社会の道徳的な観念(良識)は重要ではなくなるわけなので、このコンセプトがImagineでの天国や国家や宗教や所有は必要ないというメッセージ――人類にとって根本的なゆえに精神において革命的な歌――が生まれて来たのかも知れない。 Imagineの物議を醸してときに使用禁止の処分もなされるほどの宗教批判についてはヨーコ・オノのグレープフルーツの他にディック・グレゴリーから受け取ったキリスト教の祈祷書の影響もあったようだ。自分の神様を他人の神様よりも偉いと捉えると人間的に相手を見下したりしてしまって世界は平和よりも闘争へ傾き易くなる。ならば宗教はもはや完全に止めるべきみたいな発想に繋がったわけだった。 制作は1971年の始めにイギリスのバークシャーのティトゥンハーストの自宅の寝室で、共作者のヨーコ・オノが見守る中、ジョン・レノンがメロディーやコード進行や詞の大半を手がけて一回の簡単なセッションで終了した。 同年、ジョン・レノン&プラスティックオノバンドのアルバムのImagineに収録されてシングルカットされた。 エヴァ・キャシディによるカヴァー Eva Cassidy - Imagine|Eva Cassidy エヴァ・キャシディのImagineのカヴァーは魂を揺さぶる歌声とアレンジがとてもとても感銘的だ。オリジナルはピアノで優しく歌い聴かせるけれども作者の内に秘めた平和への人一倍の熱い思いこそ表に引き出されて白日の元に晒されるようだ。生涯、忘れ難いインパクトを与える他に類を見ない凄まじい名演に違いないだろう。 Imagineの歌詞の内容 出だしの部分; 天国を想うな やればできるよ 下に地獄はなく 上に、空だけ 誰もが今日を暮らしていると想え あぁ 国家を想うな 難しくないよ 殺しも死にもせず 宗教もないよ 誰もが平和に暮らしていると想え 君たち 夢想家だといわれるかな しかし僕一人じゃない 君たちが加わるいつか 世界は一つになるだろう 原文 Imagine there's no heaven It's easy if you try No hell below us Above us, only sky Imagine all the people living for today Ah Imagine there's no countries It isn't hard to do Nothing to kill or die for And no religion too Imagine all the people living life in peace You You may say I'm a dreamer But I'm not the only one I hope some day you'll join us And the world will be as one ジョン・レノン&プラスティックオノバンドのImagine(訳出) 世界の全ての人々の平和を願うという最大限の友情歌だ。一番の歌詞では天国と国家と宗教、そして二番の歌詞では所有が疑問を投げかけられて本当に大事かどうか、当たり前ではなく、自己中心的な見方からむしろ闘争の原因になっていると考え直させる。同感するし、何よりも「世界は一つになるだろう」(And the world will be as one)という平和に満ち溢れた未来へ生きて行きたい。 その他のアーティストによるカヴァー Imagine by John Lennon 十五組の楽曲; ランディ・クロフォード(1984)ライザ・ミネリ(1992)パーフェクトサークル(2004)マドンナ(2006)アヴリル・ラヴィーン(2007)ハービー・ハンコックのピンクとシールとジェフ・ベックとコノノナンバーワンとインディアリーとウム・サンガレの起用(2010)エミリー・サンデー(2012)スーザン・ボイル(2014)キッズユナイテッド(2015)アレックス・Gのグスタヴォの起用(2016)ホーリー・ヘンリー(2016)ペンタトニックス(2017)クリス・クラフォード(2017)ジャネット・デヴリン(2017)ダヴィーナ・ミッチェル(2018) 世界でカヴァーが続々と生まれているImagineは友情歌のスタンダードな名曲に他ならない。 参考サイトイマジンImagineImagine by John LennonJohn Lennon – Imagine LyricsCover versions of Imagine by John Lennon 結城永人の友情のスタンダードな名曲選集 コメント 新しい投稿 前の投稿
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