セバスチャン・ハンソンのMy Heart Will Go On(セリーヌ・ディオン)|恋愛歌
2016年に発表されたセバスチャン・ハンソンのMy Heart Will Go Onが恋愛歌として胸に響いた。
作詞はウィル・ジェニングス、作曲はジェームズ・ホーナーで、オリジナルの歌手はセリーヌ・ディオンになる。
- セリーヌ・ディオン(1997/オリジナル)
1997年にセリーヌ・ディオンのアルバムのLet's Talk About Loveの収録曲として発表され、シングルカットもされた。
しかしMy Heart Will Go Onが世界に名だたる知名度を得たのは同年の超大作の映画のTitanic/タイタニックの主題歌に使われたためだった。サウンドトラックのTitanic: Music from the Motion Pictureに収録されているけれども再生時間は最初のアルバムのものの四分三十九秒と比べると映画用五分十一秒だから、三十二秒、長くなっている。アレンジとして前者のエレクトリックギターが後者では入らず、ドラムも低めで、全体がオーケストラの壮大な響きにもっと包まれるようになっていると思う。
ジェームズ・ホーナーがTitanicの音楽を制作しているときに最後のクレジットロール(作品の関係者の名前が流れて来るところ)でかかる主題歌が必要だと考えてMy Heart Will Go Onに着手したとされる。Titanicの監督のジェームズ・キャメロンは要らないと考えたけれどもジェームズ・ホーナーは完成させるべく、ウィル・ジェニングスを雇って詞を書いて貰うとセリーヌ・ディオンに歌って貰うことにした。もう一人、シセル・シルシェブーも歌手の候補に上がったけれどもジェームズ・ホーナーが十八歳の頃から知っていたセリーヌ・ディオンにTitanicがチャンスだと決めてシセル・シルシェブーは他のHymn to the Seaなどの挿入歌を歌った。当初、セリーヌ・ディオンは映画の主題歌をもう既に、三回、1991年のBeauty and the Beast/美女と野獣のBeauty and the Beast(ピーボ・ブライソンとのデュエット)と1993年のSleepless in Seattle/めぐり逢えたらのWhen I Fall in Love(クライヴ・グリフィンとのデュエット)と1996年のUp Close and Personal/アンカーウーマンのBecause You Loved Meをやっていたり、馴染みのない曲調だったりして乗り気ではなかったらしいけれども夫のレネ・アンジェリルの説得力もあり、録音に挑んだ。
ジェームズ・ホーナーはジェームズ・キャメロンの受け入れられる頃合いを見計らって手中のMy Heart Will Go Onの試作を聴かせると映画の主題歌への承諾を得られた。
ジェームズ・キャメロンは映画の最後に歌の宣伝を付けると人々から嫌われるのを恐れたものの実際は反対に映画の興行促進のためにこそ主題歌が必要だと思い直したらしい。
結果、映画のTitanicは全世界で千八百億円以上の超特大の成功を収めたけれども主題歌のMy Heart Will Go Onも全世界で千八百万枚以上のやはり超特大の売り上げを記録することになった。
セバスチャン・ハンソンのMy Heart Will Go Onのカヴァーはギターが中心の静けさを湛えた演奏に優れたハスキーヴォイスが力強くもまるで霧のように儚く広がっては全てを幽玄に包み込むという劇的な効果を得ている。スローバラードの緩やかな歌の世界が染々とそしてリアルに伝わって来て素晴らしいと思うし、心は正しく感銘を受けずにいない。
歌詞の内容
出だしの部分;
夢の中に毎夜
貴方を見て、感じる
私の知る貴方は続く
離れて遥かな
私たちの間
貴方は姿を現した近く、遠く、どこにいても
私は心が続くと信じる
再び、ドアを開ける
貴方は心にいて
心は続いて続いて行く原文
Every night in my dreams
I see you, I feel you
That is how I know you go on
Far across the distance
And spaces between us
You have come to show you go onNear, far, wherever you are
I believe that the heart does go on
Once more, you open the door
And you're here in my heart
And my heart will go on and on
惹かれ合う者同士の心の愛の絆が捉えられている。死んでも変わらない思いがあると「私は心が続くと信じる」(I believe that the heart does go on)から認めるわけで、もはや死んだら何もかも終わりではないと全てを新しく認め直すほどの恋愛の衝撃的な経験が表現されているのが本当に凄い。恋愛歌の本道を突き進むようなまるで命懸けの真実、または手放せない世界を尊く覚える。
その他のカヴァー
十五組の楽曲;
- クリスティーナ・グリミー(2009)
- ジャッキー・エヴァンコ(2012)
- ケンダル・ゲイリー(2012)
- ニック・ピテラ(2012)
- オニリア(2013)
- クセニア(2015)
- リッカルド・ポリドーロ(2016)
- サマンサ・ハーヴェイ(2017)
- ベイリー・ペルクマン(2017)
- カレブ+ケルシー(2017)
- オマル・エサ(2018)
- ジェナヴィエヴ・リンコウスキ(2018)
- バブルディア(2018)
- フェン・ティモ(2019)
- ステファン・スカッチャ(2019)
世界でカヴァーが続々と生まれているMy Heart Will Go Onは恋愛歌のスタンダードな名曲に他ならない。
参考:マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン My Heart Will Go On My Heart Will Go On by Celine Dion Céline Dion – My Heart Will Go On Lyrics Cover versions of My Heart Will Go On by Celine Dion
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