肋骨を骨折していた渡部暁斗の平昌オリンピックのノルディック複合は本当に大健闘だったんだ 結城永人 - 2018年2月23日 (金) 平昌オリンピックのノルディック複合の団体は日本が四位(48分18秒6)に終わった。 個人の金メダル候補で、ノーマルヒルとラージヒルは二位(銀メダル)と五位と何れも残念な結果に終わったものの世界屈指の実力者の渡部暁斗を擁した日本はどうなるか、二つの金メダルと銀メダルと銅メダルを一つずつ取ったドイツが圧倒的に有利で、今季のワールドカップの成績を踏まえるとノルウェーとオーストリアが続いているようだったけれどもトップに食い込んで二位かせめて三位に入ると凄いと期待しながら注目していた。 平昌オリンピックのノルディック複合の団体の日本選手 渡部善斗(第一飛躍/第一滑走)山元豪(第二飛躍/第三滑走)永井秀昭(第三飛躍/第二滑走)渡部暁斗(第四飛躍/第四滑走) 日本は前半のジャンプで三位に付けて一位のオーストリアと十九秒差、二位のドイツと十三秒差から後半のクロスカントリーのスタートを切った。四位でスタートを切ったノルウェーが六秒差だった日本に直ぐに追い付いて一緒に追い上げて行った。しかし序盤からドイツが大きく引き離したので、その後はオーストリアとノルウェーと日本の銀メダル以下の争いに変わった。 渡部暁斗|オリンピック クロスカントリーは渡部暁斗にチャンスが大きいから終盤まで渡部善斗と永井秀昭と山元豪で繋いでオーストリアとノルウェーのベースに付いて行くと良かったはずだけれども三番手の山元豪が得意のジャンプでは活躍したものの不得意のクロスカントリーで一分くらい引き離されてメダル争いから日本は脱落してしまった。 平昌オリンピックのノルディック複合の団体の試合結果 金メダル:ドイツ(46分09秒8)銀メダル:ノルウェー(47分02秒5)銅メダル:オーストリア(47分17秒6) 試合を観ながら日本は前半のジャンプで三位だったのが敗因だと考えた。 テレビの解説では踏み切りや飛行の細かいミスが指摘されていた。事前の予想でもオーストリアが一位になるのは驚きで、むしろ日本が上回るべきだったかも知れない。後半のクロスカントリーで、選手同士が集団で滑るならば多少の順位の入れ替わりは関係なさそうだけれどもオーストリアを引き離しておくと日本とは逆の結果だったともいえる。 クロスカントリーは一人で滑ると風を諸に受けてスピードが出難くなるからオーストリアが二位か三位以下ならばドイツとノルウェーが強いために途中で取り残される可能性がないわけではなかった。 日本もそうだとしても終盤まで持ち堪えてレースがオーストリアとの銅メダル争いに変わると渡部暁斗が何とか打ち負かしたかも知れないと想像してしまう。 渡部暁斗|オリンピック または死力を尽くすという点では各選手にジャンプで細かいミスが出ていた日本には悔いが残るし、現状、ノルディック複合の団体で拮抗するオーストリアに対して銅メダルを獲得するためには勿体なかったかも知れない。 ジャンプで事前の予想を覆すほどに頑張って一位に立ったオーストリアがクロスカントリーでも耐え抜いた試合だったとすると明らかに素晴らしいと拍手を送るしかないのが本音だ。 試合後のインタビューで日本の各選手は何れも決して不可能ではなかったメダル争いへの無念な感想を余儀なくされていたけど、しかしながら渡部暁斗が平昌オリンピックを通じて日本でノルディック複合の魅力を分かる人が増えると良いみたいに付け加えていたのが最も印象深く受け留められた。 ノルディック複合への思いが自分自身よりも強いというか、全てを捧げてやっているんだとはっきり伝わって来たし、人生を込められた言葉遣いから改めて感動しながら涙を溢すのも造作なかった。 心から納得できる渡部暁斗とノルディック複合の個人のノーマルヒルとラージヒルと団体だったし、振り返っても平昌オリンピックを一生懸命に観ておいて本当に良かったと頷くばかりだった。 ところが後からニュースが飛び込んで来て渡部暁斗が肋骨を骨折していたという仰天する事実をさらに掴んでしまったんだ 何も気付かなかったし、個人のノーマルヒルとラージヒルと団体の何れの試合でも特に支障がなかったので、俄かには信じ難かった。 ピョンチャンオリンピックのスキーノルディック複合、個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得した日本のエース、渡部暁斗選手が大会前の国内での練習で左のろっ骨を骨折し、オリンピックに望んでいたことがわかりました。 ノルディック複合で銀メダル 渡部暁斗は大会前に骨折|NHKオンライン|NHK 全日本スキー連盟(SAJ)のノルディック複合の日本代表のコーチの河野孝典が明らかにしたらしい。 河野コーチは「クロスカントリーでは力を入れられないような状態だった」と振り返り、「しっかりとメダルを獲得し、本当にすばらしい選手だと思う。ギリギリの状態だったと思うが、痛みのある中でよくやった」と話していました。 ノルディック複合で銀メダル 渡部暁斗は大会前に骨折|NHKオンライン|NHK 河野孝典はリレハンメルオリンピックのノルディック複合の個人(ノーマルヒルとラージヒルに分かれてなかった)で銀メダルを取っていて日本では渡部暁斗のソチオリンピックと平昌オリンピックでの個人ノーマルヒルの銀メダルと共に数少ないオリンピックのノルディック複合の個人種目のメダリストだった。 平昌オリンピックで出場予定の三試合が全て終わって今更、皆にいわなくても良かったかも知れないし、渡部暁斗こそ一言も触れなかった――転倒の直後には怪我について気にならないぐらい(ノルディックスキー渡部暁斗、五輪直前に骨折 左の骨折、本人は明かさず)といっていたらしい――わけなので、密かにも度外視された肋骨の骨折を取り上げるのはなぜと訝しい気持ちにさせる。 銀メダル|渡部暁斗 考えてはオリンピックのノルディック複合の個人の銀メダリストとして河野孝典は見過ごせなかったし、どうにも同情を禁じ得なかったとしか捉えようがなくなる。 万全ではない状況でも試合に臨んで実力を発揮するのが渡部暁斗の個性だし、プレイスタイルだと感服させられたのかも知れないし、そばで気付きながら皆にも是非とも知って欲しかったとすれば遅れ馳せながら敢えて口を開くのも当然だったに違いない。 とにかく「痛みのある中でよくやった」の一言が全てを物語っている河野孝典の日本代表のコーチとしての真実だと思う。 渡部暁斗の肋骨の骨折を知って輪をかけて感動する平昌オリンピックのノルディック複合だったし、もう一度、振り返っても本当に大健闘だったから涙を溢さずにいられない試合ばかりだったと甚だしく称えたい。 参考サイトノルディック複合 団体ラージヒル・クロスカントリーノルディック複合団体 競技結果渡部の猛追も日本は4位、ドイツが金 コメント 新しい投稿 前の投稿
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