ハーバード白熱教室に正解はなくて良い 結城永人 - 2017年3月24日 (金) かつてテレビで観て衝撃を受けたハーバード白熱教室は本当に珍しかった。類例のないテレビ番組として記憶に著しく刻まれてしまったという他はない。振り返るとよもや日本で制作されてなかったのも辛いかぎりだろう。 マイケル・サンデル教授の講義の熱気は頼もしい Justice: What's The Right Thing To Do? Episode 01 "THE MORAL SIDE OF MURDER"|Harvard University アメリカのハーバード大学のマイケル・サンデル教授の講義が放映されていた。講堂の熱気が凄くて学生たちに勉強へのやる気が漲っていた。授業が対話形式で進められていて学生たちがマイケル・サンデルの思いに触れながら吸い寄せられるままにどんどん巻き込まれて行って一人残らず、考えなくては行けないというか、身を乗り出しながら取り組まなくてはあり得ないみたいなイメージだった。 学校において盛り上がる授業がよもや骨董品ならば「良い仕事ですね」(中島誠之助)と誉め千切られるくらい教育の鑑に見えた。 僕は少ししか気に留めなかったけれども教育論を踏まえると日本の「ゆとり教育」に引っかかっていた。現在は「脱ゆとり教育」とはいえ、上手く行くためにはハーバード白熱教室の熱気が最低線だったのではないか。本当に物凄く難しいので、子供たちに知的な好奇心を与えるにはそれでもまだまだ自主性を勉学に勤しむと朧気にも引き出させるには至らなさそうに考えると国が偏に取り下げるのは如何にも尤もらしい。 畢竟、浅田彰が憂国的に呟くほどに巡り巡って世の中から後ろ指を指される日本人が大半なのかどうかは又別の社会性にせよ――ドゥルーズの「ミクロの政治学」とは何か――たぶん僕がブログで明白に取り上げたから国民の様相は変わって来てしまうというのも実況かも知れない、同じように重ねてみるかぎり。 むろん僕と浅田彰では知名度は天地の開きも吹き出すくらいかけ離れ捲ってはいるものの面白いのは「私はダイナマイトだ」(ニーチェ)なので、本当に良いものとか真実なんて知識は皆が力強く欲しがるから世の中に広まるかどうかは作者の知名度では必ずしも計れない。 考え方はスピノザから来るよ、きっと。知識、または経済ならば商品なんだ、一つの喜びに胸打たれて引き付けられるのはなぜかとニーチェもドゥルーズも浅田彰も本当に良く分かっているから僕も危ないというか、意見が合わなければ厳しい立場へやはり追い遣られがちだ。さては仕様がないから「共通点」(スピノザ)によって生き延びるしかないと思う。食い違っても完全に不味いわけではない。さもなければ三人ともスピノザについて分かっているなんて些かでも出任せに過ぎなかったはずだ。僕にはあり得ないし、今此処で気持ちを書き直しはしない。 真っ直ぐに見詰めながらハーバード白熱教室は頼もしいと熱気だけは間違いなく受け入れながら授業内容までは特に考えずにいた。 浅田彰のブログで見付けて個人的に胸が痛んだ さもなければ、マイケル・サンデルの「ハーバード白熱教室」のようなアメリカの有名大学の「知」がすべてを呑み込んでしまう。それこそ悪しきグローバル化じゃないでしょうか。 『構造と力』刊行30周年|REALKYOTO どうも不味いらしい。引用するのが厄介な箇所で、社会学の専門家でもちょっと分かり難そうな極めて分析的な文面だった、人々にも短過ぎれば知覚の射程が掴めなくて何がいいたいのかが伝わらなさそうだ。 ブログの纏めとして置かれていて国内の東日本大震災への様々な対応や東アジアの変動する経済に伴う各国の驚くべき文化的な情勢を弁えながら《知識の在り方》がはっきり問われていると本質的には受け留められた。 ハーバード白熱教室が頂けないと槍玉に上げられてしまった格好だけれども僕としても以前から熱気とは外れて訝られていたかぎりは本当に授業内容にも改めて触れておくしかなくなるよ。 結論からいうとアメリカなんだ。アメリカの国民性が出ているし、皆で話し合って国でも生活でも真実とは何かでも追求して行く《知識の在り方》が端的に発揮されているのがハーバード白熱教室で、学問とはいえ、まさかエンターテイメントに近いようなところまで完成度が高く仕上げられている。 日本ならばおよそ対照的なスタンスだろう。思考というと一人で部屋に篭って座禅しながらか、机に頬杖を突きながらどうしようみたいな感じがしてしまう。他人とは全く相容れないイメージで孤独と共にひっそり味わわれ得るんだ。 古典的には「あはれ」(哀れ)や「をかし」(趣き)だったかも知れないにせよ、徐々に洗練されながら近現代へはわびさびの境地などが独自にきっと生まれて来たりもするわけだろう。 浅田彰はそうした全てを消し去って良いのかと喉から血が出るまでに訴えかけているとも気持ちは過言ではない、だから人々へ。 日本だけではないし、外国には外国の《知識の在り方》がありそうというと僕は日本から一歩も出てないから実地には良く知らないせいだけれどもメディアで多種多様に出会うかぎりは頷いて良い。 翻って国内へ向けてはちゃんとできているかどうか Otsu Tsuruki-soba by 663highland / CC BY-SA 伝統が全てではないから誰もが常識に則って大人しく生きる必要はないとかりに馴染み薄くても日本人としての自覚を持たないままでは国は直ぐには滅びるくらい変わらないと物語っているのが浅田彰の言葉遣いだろう。 人間的に解釈されて然るべき世相としては「悪しきグローバル化」の「悪しき」のせいだし――アメリカのスタイルに抵抗しなくてはならない論証を強いられるために認識が《社会的な個人性》では解決できない/妥当に日本のスタイルとは何かを突き詰めると先ずは自覚が必要なんだと気付く――自覚だけでは中身が心配だから国も厳しいのではないかと僕はいいたいけど、ただし人々の生き方へ口を挟むのは時間がかかるし、ブログで頑張っても訪問者が少ないと駄目なので、せめて切欠だけでもあれば良いと受け留めたい。 浅田彰は自覚と口に出してないから実際には切欠も雰囲気だけど、持論からマイケル・サンデルを軽く叩くという自己表現での理詰めの説得力は自覚にかかっていると思想的に見聞された。 強く叩かないのは正しいし、ハーバード白熱教室を通してしか心のままに肯われない方法だ、僕が探ったようにアメリカが命題ならばハーバード白熱教室もはっきり否定しても仕様がないので、大元はアメリカがどのように振る舞っているかを知らなくてはならないけど、とにかくマイケル・サンデルが「グローバル化」に影響しているかぎりは全く否定されなかったとは感じるべきではない。 どうでも良いと思われるかも知れないし、またはなぜなんだと考えられるならば僕からはハーバード白熱教室とマイケル・サンデルはセットにして把握しないと浅田彰の意見は分からないと告げるだけだ。 つまり「悪しきグローバル化」はアメリカに基づくかぎり、受け取られ方は同じだからおよそ僕の説明でも構わないようだけど、ハーバード白熱教室とマイケル・サンデルのどちらかだけに意味合いがかかると感じると対象としてぼやけるんだ。 気付くのは国際関係への認識は重層的だから難しい Various people in the world by geralt / Pixabay 全ては国を負っているせいだ。人間と物事を一挙に捉えないと認識を取り零し兼ねない。 因みに人間観察にも当て嵌まる。性格において把握するので、人間と言動をばらばらに捉えていたら与えた印象は相手からどんなふうに味わわれるだろう。人それぞれの感想にせよ、個人的には《真実と合わない目線》という胸のうちが本音だ。一挙に捉えると思考はすんなり纏まるし、性格も良く認識されているのは確かなはずなので、ひょっとすると頭が良いと唸らせるからなるべく心がけると愛好されて生き易い。 マイケル・サンデルのハーバード白熱教室そのものについては改めて調べてみると学生たちは実際的な議論を迫られていた。ただし問題提起の仕方がアンビバレント(両義的)なので、それ自体は空虚だし、どんなに思考しても真実が遠ざかるばかりの授業内容と評価せざるを得ないだろう。だから教育として懸念しながら今正に思い起こせばテレビ番組の第一印象も不可思議だったよ。 実際的な議論が求められる状況にも拘わらず、なぜアンビバレントな主題が取り込まれる必要があるのか、問題提起において。 マイケル・サンデルのハーバード白熱教室での狙いを推測すると誰にも納得できない物事へ延々と取り組むのでは猟奇的/病んだアメリカだから学校そのものは健全的/冴えたアメリカならば皆の意見を尊重して欲しいと徹頭徹尾に教え込むためだ。 もはや国柄の「Justice」(正当性)も社会の裏表/猟奇的なことと健全的なものから精密なまでに導き出されて概念化され得るし、マイケル・サンデルの思考そのものは理論的に圧巻の揺るぎなさを示して止まなさそうだ。 日本にとってそれは情念的ではないために偶然に受け入れるのは不合理だといって良い。社会の裏表への真相は他の国にもそれぞれの認識があるから得てして国際関係で混同するならば気持ちは穏やかではなくて《生存論の衝突》を誘き寄せる、恐らく。世界中の些細な日常と地球を守るかぎりは絶え間なく用心するべきだ。 ハーバード白熱教室はアメリカの個人と自由という最も素晴らしくて良い面、一つの世界観とも過言ではない、僕にとっては素敵な国だと感じるようなところを非常に巧みに授業に取り入れているのではないか。 皆が自分の意見を持って他人も同じように納得しながら生き合う。そのために敢えて思考上は収拾の付かない舞台装置によって真実を遠ざけてでも思い思いになるように議論を仕向けているとすると本当に凄いし、超賢い。 よもや学校の授業だとしても正解は要らないんだ 学生たちが自力で思考して共々に思考する他力を経験しながら人間的に成長できるかどうかが真面目に試されているならば教育としては決して冗漫ではないと微笑む。最終的にはマイケル・サンデルが自説によって締め括るのかどうかは何れにしても予め想定されるよりは皆の意見と合わせて相対化されるままに深い気持ちを込めて称賛するしかないだろう。 今又、浅田彰を念じて確認すればアメリカの教育現場の底力を熟知しているのかも知れないし、いつも世界を飛び回っているばかりの様子なので、日本も本当に「悪しきグローバル化」を全般的に押し退けながら皆が日本人として努力するべきだとしかいいようがない、知識へ向けて。 僕としては勉強で大事なのは自覚だし、生活をどうするかは中身を伴えばもっとずっと豊かなはずなので、毎日の精進だけは怠らないように望んで行きたい。 コメント 新しい投稿 前の投稿
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